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テント倉庫の膜とは?
こちらのページでは、テント倉庫に使われる「膜材料」について、くわしく紹介していきます。
膜材料の特徴・メリットをまとめているほか、主な種類をご紹介。種類ごとの性能が分かる比較表なども作成しました。また、テント倉庫を建てる際の膜材の選び方(選ぶ際の注意点)や、いま注目されているイチオシの膜材などについてもまとめています。
テント倉庫や膜材料についての詳細が知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
膜材料の特徴・メリットとは?
テント倉庫の壁や屋根として使用される「膜材料」
通常の建築素材と比較して極めて軽量な素材である膜材料は、その一番の特徴である“軽さ"を生かし、柱のない広大なテント空間を実現できるのが大きなメリットです。また、膜材料は高い透光性を備えているため、明るいテント空間をつくることも可能です。さらに、厳しい強度試験をクリアした膜材料は、高い耐久性・強度も長期にわたって維持するなど、幅広い仕様に対応できる汎用性の高さも、メリットのひとつといえるでしょう。
そんなたくさんのメリットを持つ膜材料は、さまざまな公共建物にも使用されています。1988年に誕生した東京ドームもそのひとつ。東京ドームの屋根は、フッ素樹脂がコーティングされた「ガラス繊維膜」で構成されています。ちなみに、建設から30年以上が経つ現在も十分な強度・機能が保たれています。(※ガラス繊維膜…直径約0.003mmの極細ガラスフィラメントを束ね、糸として織った布。)
膜材料の主な種類をチェック
膜材料は、基布、コーティング材、用途により4種類(A種・B種・C種・テント倉庫用)に大別されます。また、2017年から対候性および透明性に優れた膜構造用フィルム(基布がない樹脂製フィルム)も使用が可能となりました。
下の表は、それぞれの材質や特徴、性能などをまとめたものです。
呼称 | A種 | B種 | C種 | テント倉庫用 | 膜構造用フィルム |
---|---|---|---|---|---|
基布 | ガラス繊維 | 合成繊維 | 合成繊維 ガラス繊維 |
ー | |
コーティング材 | 四フッ化エチレン樹脂など | フッ素樹脂、塩ビ樹脂など | ETFE樹脂(※1) | ||
重さ | 0.55kg/m²以上 | 0.5kg/ m²以上 | 0.4kg/ m²以上 | 0.175kg/ m²以上 | |
厚さ | 0.50mm以上 | 0.45mm以上 | 0.1mm以上 | ||
対候性 | A種・構造用フィルム>B種>C種>テント倉庫用(※2) | ||||
防火性能 | 不燃材料 | 防炎材料(※4)(※5) | |||
接合加工 | 専用設備と高い 加工技術が必要 |
小規模の設備で加工でき扱いやすい | 専用設備と高い 加工技術が必要 |
||
施工性 | ガラス繊維が使われているため 折り曲げないよう注意が必要 |
取扱いしやすい | 薄く、傷つきやすいので 取扱いには注意が必要 |
||
色彩 | 白(※6) | 自由に色が付けられる | 透明(着色可) |
※1 ETFE樹脂:Ethylene Tetra Fluoro Ethylene(エチレン-四フッ化エチレン共重合樹脂)。
※2 立地条件に大きく左右されるため、一応の目安として提示。
※3 B種膜材料には準不燃材料、防炎材料のものもあり。
※4 防炎材料:JIS A1322に規定される防炎2級以上の性能を有する材料。
※5 テント倉庫用膜材料のうち、ガラス繊維を基布としたものには不燃材料もあり。
※6 A種膜材料は施工当初は褐色であるが、3か月程度で漂白され白色になる。
膜材料の選び方・注意点
テント倉庫の膜材は、平成14年国土交通省告示667号で定められた基準をクリアしたもの、かつ、国土交通大臣の認定を受けたものを使用しなければなりません。
また、防火上設定された地域(防火地域、準防火地域、22条区域)、保管物(不燃物品、可燃物品)、使用される場所(屋根、延焼のおそれがある部分など)によって使用できる膜材が異なります。そのため、膜材の選定に際しては、専門家や行政などへの確認が必要です。
品質に関する規定について
膜構造建築物、テント倉庫建築物に使用する膜材は、国土交通省告示の定める技術基準を満たしていなければならず、製品の検査項目や検査方法、製造などの品質管理はISO9001を基準にしています。
以下は、平成14年国土交通省告示第666号に定める膜構造建築物用の膜材料の告示基準についてまとめたものです。
基布に使用する繊維糸 | コーティング材 | |
---|---|---|
(1)A種 | ガラス繊維織物 ※JISR 3413-2012適合(繊維径3.3~4.05μmに限る) |
・四フッ化エチレン樹脂 ・四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂 ・四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂 |
(2)B種 | ガラス繊維織物 ※JIS R 3413-2012適合 ・塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂 |
・フッ素系樹脂(四フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレンー六フッ化プロピレン共重合樹脂を除く) ・クロロプレンゴム ・クロロスルフォン化ポリエチレンゴム ・オレフィン系樹脂 |
(3)C種 | ・ポリエステル系繊維織物 ・ポリビニルアルコール系繊維織物 ・ポリアミド系繊維織物、ポリアラミド系繊維織物 ・オレフィン系繊維織物(ケナフ植物繊維混織含む) |
厚さ | 0.5mm以上 |
質量 | 550g/m²以上 (合成繊維糸による基布とした膜材料 500g/m2以上) |
引張強さ | 200N/cm以上 |
破断伸び率 | 35%以下 |
引裂強さ | 100N以上 かつ1cm幅当たりの引張強さの15%以上 |
引張クリープ伸び率 | 15%以下(基布に合成繊維糸を使用した膜材料は25%以下) |
コーティング材の密着強さ | 引張強さの1%以上かつ幅1cmにつき10N以上 |
繊密度 | 一様 |
布目曲がり | 10%以内 |
※変質若しくは摩損しにくい材料
防火に関する規定について
防火地域、準防火地域、22条区域で利用する膜材料には、それぞれの地域・区域で認定された防火材料を利用しなければなりません。また、行政によっても地域・区域の指定が異なるため、膜材の選定に際しては、専門家・行政等への確認を必ず行う必要があります。
次の表は、防火地域、準防火地域、22条区域で認定されている防火材料についてまとめたものです。
防火地域 | 原則 | 耐火建築物 |
---|---|---|
100 m²以下 | 準耐火建築物(屋根:不燃材料) | |
準防火地域 | 1,500m²超 | 耐火建築物 |
500m²超~1,500m²以下 | 準耐火建築物(屋根:不燃材料) | |
500m²以下 | 屋根:不燃材料 | |
22条区域 | 屋根 | 令109条の5一号二号認定品またはガラス繊維内膜材+令109条の5一号認定品 |
進化する膜材を紹介
ひとくちに膜材料といってもさまざまなタイプ・商品が出回っていますが、近年、飛躍的な防汚性能の向上を図った革新的な膜材料があります。それが、光触媒技術を駆使した「酸化チタン光触媒コーティング膜材」です。以下に、その性能や特徴、メリットなどを簡単にまとめてみました。ぜひチェックしてみてください。
酸化チタン光触媒コーティング膜材「セルフマックス」「ピュリファイシャインスカイ」「クリーンマックス」
酸化チタン(TiO2)コーティング膜材の大きな特徴は、光触媒作用による強い「親水性機能」「有機物分解機能」で、膜材の表面に付着した汚れ物質そのものを分解・除去できるところです。
この特徴から、清潔感に溢れる保管空間をより長い期間キープすることが可能となっています。また、室内照明のランニングコスト低減、庫内の温度上昇緩和といったメリットも同時に実現。もちろん、建設コストの削減や短期施工など、テント倉庫ならではのメリットも実現できます。
不燃膜材「シャットバーン」「クリーンマックス」
こちらは、ガラス繊維をベースとした優れた透光性能を特徴とする膜です。不燃認定材料を使用することが義務付けられている「準防火地域」などでも使用することができます。また、不燃膜に酸化チタン(TiO2)がコーティングされた、「クリーンマックスシリーズ」もあります。
さまざまなメリットをもつテント倉庫。当サイトでは、テント倉庫を建てられるおすすめの会社をいくつかピックアップして紹介しています。テント倉庫に興味のある方は、ぜひそちらもチェックしてみてください!
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