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球場建設
球場等のスポーツ施設の建設方法は?
球場等の屋内スポーツ施設の建設方法も選択肢は複数あります。屋内スポーツ施設と聞いて真っ先に思い浮かぶのはドーム型の球場ではないでしょうか。東京ドームなどはドーム部分にテント膜材が使われているのは広く知られています。またドームではないがスタジアムなどにも日除け、雨避けなどで多くのテント膜材が使われている。逆に、フットサル、バレーボールやバスケットボールなどが行われるようなスタジアムはシステム建築やプレハブ建築で建てられているところもあります。そこで、球場等のスポーツ施設の建築におけるシステム建築、プレハブ建築、テント建築の耐用年数・建築費用・工期・デザイン・耐久性能の5点において比較してみました。
システム建築 | プレハブ建築 | テント建築 | |
---|---|---|---|
耐用年数 | 30年以上 | 20年以上 | 15年〜20年 |
建築費用 | 在来工法より安い | 規格品の場合は安い | システム、プレハブより安い |
工期 | 2ヶ月〜 | 〜3ヶ月 | 〜2ヶ月 |
デザイン | フットサル場などのサイズのものなら可能。球場など規模の大きいものは作れない | 球場など規模の大きいものは作れない | 膜材の構造上デザインの自由度は高い。特殊な形状の土地に合わせた建築もしやすい |
耐久性能 | システムで計算された耐久性の高い建築材は災害や気候変動にも対応できる | 規格化されており耐久性は計算されている | 耐久性能は他建築に比べ低いが、重さなどに対応できる仕様あり |
戦略倉庫(https://www.senryakusouko.com/column/cost/warehouse-price-per-tsubo)/(https://www.senryakusouko.com/column/knowledge/warehouse-system-construction-period)
テント倉庫.net(https://big-tent.net/oyakudachi/tsubo-tanka/#i-2)
球場などの建築に関しては規模が大きいものだとプレハブ建築では作れません。また、システム建築に関しては、テント膜材を支える鉄骨部分の立体トラスの構造はシステムによって作られていると言える。しかし、このページで言うシステム建築とはニュアンスが異なるので言及は避けたい。一方、やはり球場の建築にはテント建築は欠かせないもの。テント膜材の軽いという特性が屋根やアリーナ部分に大いに生きること、そして、透過性の高さにも注目したい。他の建築では透過性を持たせるならばガラスかアクリル板などを使わなければならないが、大型施設の天井などには使い勝手が悪いと言える。
テント建築のスタジアムの特徴
東京ドームなどに見られるように、球場の建設に多く利用されているテント膜材。膜材のコストが安いという面はとても大きなメリットとなっています。また、近年では天井を開閉させるドーム型球場も出現しています。それは何よりテント膜材の自由な形状や軽さなどがとてもマッチしているからなのです。また、ドーム型球場ではなくても日除け、雨避けにと、球場にはテント膜材が多く使われています。
メリット:軽さと自由な形状
テント建築とは骨組みを組んで、そこにテント膜材を張るというのが基本の構造。鉄骨の骨組みこそ重量はあるが、テント膜材の重量はシステム建築やプレハブ建築で使われる壁材、天井材などにくらべかなり軽い。その軽さは作業も簡単にする上に、コスト部分も安く大きなメリットがあると言えます。また、柔らかい膜材の性質上、複雑な形状に折り畳んだり加工することも可能です。天井が開閉式の球場の中には、ジャバラ式にテント膜材を折り畳んだり広げたりすることで開閉させる仕様のものもあります。テント膜は断熱性、遮音性にも優れている上に、透光性も持っているのも特徴的です。
デメリット:耐用年数が少ない、メンテナンスが必要
他の建築に比べ耐用年数が短いのがデメリットのひとつ。テント膜材はどうしても劣化は避けられません。したがって定期的なメンテナンスと、一定期間での張り替えが必要となってきます。ただし、他の建築では行えないような修繕ができ、張り替え後は新品そのものに生まれ変わります。また、テント膜材もどんどん新しい素材が生まれ、その強度も格段に上がっています。
球場等のスポーツ施設の事例
球場等のスポーツ施設事例1

画像引用元:太陽工業株式会社公式サイト
( https://www.taiyokogyo.co.jp/use_list/index.php/item?keyword=埼玉&cell003=膜構造建築物&cell004=スポーツ施設&name=埼玉スタジアム2002&id=4&label=1)
埼玉県さいたま市に2002年に建築された「埼玉スタジアム2002」のアリーナに使われているのが太陽工業のテント建築。太陽工業は世界で初めて膜材でアリーナを作りました。また、世界で初めて海中膜の開発にも成功しました。この太陽トラストルーフは膜材と、合理的な構造計算で少ない柱で構造物を作れるオリジナルのシステムTMトラスを組み合わせたもの。膜材には耐久性が高く、また、透過性も良いテフロン®膜材を使っています。
球場等のスポーツ施設事例2

画像引用元:太陽工業株式会社公式サイト
( https://www.taiyokogyo.co.jp/use_list/index.php/item?keyword=長居陸上競技場&cell003=TMトラス&cell004=スポーツ施設&name=長居陸上競技場&id=262&label=1)
長居陸上競技場、2014年からはネーミングライツの導入でヤンマースタジアム長居として親しまれている大阪市にある陸上競技場のアリーナも太陽工業によるもの。こちらも太陽トラストルーフとという太陽工業の構造システムTMトラスと膜材を組み合わせたもの。膜材は軽量なので、これだけの幅の部分でも柱もなしに設置することができるのが大きなメリットです。また、このテント膜材は強度はもちろんのこと、スタジアム内の照明をより鮮やかに反射させる効果を持っています。だから、夜間のスタジアム内の見やすさとともに、華やかさも演出してくれる。
球場等のスポーツ施設事例3

画像引用元:太陽工業株式会社公式サイト
( https://www.taiyokogyo.co.jp/use_list/index.php/item?keyword=高崎市ソフトボール場・宇津木スタ&cell003=膜構造建築物&cell004=スポーツ施設&name=高崎市ソフトボール場・宇津木スタジアム&id=450&label=1)
群馬県高崎市に建設されたソフトボール場である宇津木スタジアムにも太陽工業のテント建築が採用されています。このテント膜材も耐久性とともに透過性も高く、自然光を遮らずに光を届けられるもの。だから、プレーをする選手にとっても、それを観戦する観客にとってもとても見やすい環境となっています。
球場等のスポーツ施設事例4

画像引用元:株式会社TRA・K公式サイト
( http://www.tra-k.co.jp/service/)
水戸市立競技場のアリーナはオリジナル設計の立体トラスと膜材を組み合わせた建築物。膜材はPTFE酸化チタンコーティングで耐久性も高く、また透過性がいいので日光を遮らないのも特徴的な建物です。