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食品
食品類を保管するための倉庫について、実際の施工事例を紹介しています。
システム建築倉庫、プレハブ建築倉庫、テント倉庫の3種類に分けて掲載。それぞれの事例については、施工会社やシリーズ名、倉庫画像とともに、規模や構造材、施工場所といった詳細もわかる範囲でまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
食品保管倉庫の注意点をチェック
保管する食品の温度帯
食品保管倉庫の場合、保管する食品によって室内温度を調節する必要があります。温度に関する設備・機能を備えた倉庫には、たとえば、さまざまな食品製品・商品原料に対応できるよう保管階層を分けて4温度帯保管ができるようにした倉庫や、保管品の特性に合わせて搬入出経路を分離した倉庫などがあります。
食品保管倉庫を建てる際には、保管する食品の品質保持に最大限配慮できるものを検討するのがよいでしょう。
在庫管理のしやすい設計
倉庫を建築した後、食品保管倉庫の運用についてですが、温度管理と同じく大切となるのが在庫管理。どこに、どの食品の、どれくらいの在庫があるのか?というのを常に把握しておくことが重要となります。そうしないと、適正在庫よりも多く発注をかけてしまう、不良在庫を残してしまうことにもつながってしまいます。
また、食品保管倉庫では「先入れ・先出し」が基本です。食品には消費期限・賞味期限があり、とくに生鮮食品の場合は期限を過ぎないよう十分に気を付けなければなりません。消費期限・賞味期限が過ぎて棄てるしかなくなった…ということを避けるためにも、先に入れた食品を先に出していく、というルールを徹底しましょう。
【システム建築編】食品保管倉庫の施工事例
システム建築タイプの食品保管倉庫の施工事例をチェックしてみましょう。

(http://www.core-system.co.jp/performance/469/)
原料保管庫・解凍倉庫として建築された倉庫です。用途によって、自由に使える用途での利用に対応している倉庫です。
- 【用途】倉庫
- 【建物面積】400㎡

(http://www.yokogawa-yess.co.jp/archives/production/6376)
室内柱を一箇所配置したカスタムタイプは、柱位置を工夫することで広いスペースを確保しています。広い空間で生鮮食品の保管・管理を行えるように作られた倉庫です。
- 【用途】倉庫(青果集出荷予冷施設)
- 【建物面積】868㎡
【プレハブ建築編】食品保管倉庫の施工事例
プレハブ建築タイプの食品保管倉庫の施工事例を見てみましょう。

(http://www.kohri.co.jp/works/20100930_000522.html)
米用の低温倉庫です。大型の機械や低温空調も配置されていることから、さまざまな品目保管の対応を可能にしている倉庫です。
- 【用途】倉庫(米保管)
- 【建物面積】6390㎡
【テント倉庫編】食品保管倉庫の施工事例
テント倉庫タイプの食品保管倉庫の施工事例です。

(https://www.tentsouko.com/achievement/315/?productscategory=172)
屋根材・外壁材ともにSMX-Kを採用している米の保管倉庫です。広々としていることから、大容量の保管が可能です。
また、太陽工業はさまざまなテント倉庫がラインナップされていますので、状況・ニーズに応じたテント倉庫の設営が可能であることが伺えます。
- 【用途】倉庫(米保管)
- 【建物面積】公式HPに記載がありませんでした

(https://kensetsu.ipros.jp/product/detail/2000277744)
野菜を保冷するための保冷庫。断熱材にもなるアルミ素材の保冷シートを使い、倉庫内に間仕切りをしてその中にクーラーを設置。室内の保冷効果をアップさせ、野菜の鮮度保持や電気代カットにも貢献します。
食品倉庫の選び方
倉庫のバリエーション(立地・広さ・種類)
「倉庫がどこにあるのか」という点や「倉庫内の広さ」といった点は、食品倉庫を選ぶ上で非常に重要なポイントのひとつとなっています。まずは自社で取り扱っている商品を管理するにあたって、必要な広さが十分にあるかどうかを確認してください。
さらに、「定温倉庫」、「冷蔵倉庫」、「冷凍倉庫」のいずれを扱っているのか、という「倉庫の種類」もあらかじめ確認が必要な部分であるといえます。例えば定温倉庫のみ扱っている倉庫の場合には、冷蔵や冷凍が必要となる食品の管理が行えません。この点から、自社が取り扱っている食品の保存方法についてあらかじめ確認しておき、ニーズに合った倉庫を選んでください。
また、既に契約している配送先がある場合には、倉庫からそれぞれの配送先までの距離や配送にかかる時間について計測しておくこともポイントといえます。現在の倉庫から移転して非常に遠くなってしまった、配送に3倍の時間がかかるようになってしまったなど、逆に不便な状況が発生しないかを確認するのが大切です。
配送効率・温度管理(AI・IoTなどのシステム・設備)
倉庫からの配送効率も倉庫選びにおいて重要なポイントです。この点については、「倉庫内から商品が出荷されるまでの流れや設備」についてあらかじめ確認しておき、現在使用している倉庫の環境よりも、配送効率がアップする倉庫を選ぶのが大切です。
例としては、AIやIoTを活用した自動検品装置を採用している倉庫や、温度管理についてAIを導入しているなどの倉庫を選ぶことがおすすめ。上記のような先進的な設備を備えた倉庫であれば、倉庫内作業も効率よく進められるはずです。
また、特に食品の保管については、当然ながら厳密な温度管理が必要となります。食品には多彩な種類がありますが、それぞれの種類によって保管に必要な条件が変わってきます。その条件に合った倉庫で保管をしなければ品質の維持ができないため、出荷が難しくなるケースもあります。時には食品が劣化した状態で出荷してしまうことで、大きな問題が発生する可能性もありますので、倉庫の温度管理は非常に重要です。
委託できる業務内容(トラブル対応など)
倉庫を選ぶ際には、どのような業務内容を委託できるか、という点もあらかじめ確認しておく必要があります。特に業務を委託することによって効率化を行いたいと考えている場合には、委託する予定の業務を任せられるのかといった点を含め、委託できる業務内容について業者に確認・相談することが大切であるといえます。
また、「トラブルやクレームについては対応してもらえるか」「保証範囲はどこまでなのか」といった点も、万が一の状況が発生した際に備えて確認しておくことが大切です。契約前にしっかりとチェックし、不明点があれば理解・納得できるまで業者に確認しておくことで、もしトラブルが発生した場合に「こんなはずではなかった」と感じずに済みます。委託できる業務内容について納得できてから契約を締結するようにしてください。
まとめ
こちらの記事では、食品類を保管するための倉庫について、施工事例や選ぶ際のポイントについて紹介してきました。倉庫を選ぶ際には立地や広さ、種類に加えて、配送効率や温度管理、委託できる業務内容などを確認します。特に食品にはさまざまな種類があり、それぞれに適切な保管方法があります。食品倉庫を選ぶ場合には、自社が取り扱っている商品にその倉庫の性能が合っているかどうか、という点を初めに確認することが大切です。
しっかりと食品に合った環境の倉庫であれば、適切な状態で顧客に届けられますが、もし適さない環境で保管した場合には品質などに問題が出てくる可能性が考えられるため、あらかじめどのような倉庫なのかを確認しておくことが大切です。