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エアゾール製品
エアゾール製品は、液化ガスや高圧ガスなどの危険物を圧縮した製品であるため、法律によってその保管基準が指定されています。倉庫にエアゾール製品を保管するうえで押さえておきたい注意点について、実際の倉庫施工事例と合わせて紹介します。
エアゾール製品倉庫の注意点をチェック
エアゾール製品は「危険物」に該当する
エアゾール製品(スプレー缶)は日常生活で身近な製品であるため、手の届くラックや戸棚へ保管する機会が多いです。しかし厳密には「危険物」に該当する製品であり、消防の立ち入り検査でも、その保管方法によっては指摘を受ける場合があります。
一定数以上の保有で条例や規制の対象となる
エアゾール製品によって、使用されている危険物は異なりますが、主に「第四類第一石油類」「第四類第三石油類」などが使用されています。これらの危険物は保有(保管)している量が一定数を超えると「火災予防条例」や「危険物の規制に関する法令」の対象となります。条例や法令の適用保有量となる場合は、その保管方法について適切な対策を講じる必要が出てきます。
エアゾール製品が法令の対象となる目安量
所有しているエアゾール製品が、法律下での保管義務に該当する量であるかどうかを判断するには、決められた計算式から「指定数量の倍数」を算出することで、消防法が適用されるかどうかの可否が決定されます。計算式の詳細はここでは割愛しますが、倍数が0.2以上だと「少量危険物」、1.0以上だと「危険物」の判定となります。おおよその目安として「第一石油類」に該当するエアゾール製品(500ml)を保管する場合、80本以上であれば「少量危険物」に該当します。
エアゾール製品の保管場所
エアゾール製品を「少量危険物」や「危険物」として保管する場合、その保管場所は十分な防火対策がとられた場所であることが必要です。具体的には「壁や柱、天井などに不燃材料を用いる」「窓や出入り口に防火戸を設ける」などが挙げられます。倉庫を新設する場合はまだしも、よくある事例として「事務所兼倉庫」という「1つの建物内に事業所と倉庫が混在する場合」には、注意が必要です。この場合、防火対策を講じる部分は倉庫のみならず、同一の建物内である以上、事務所も含めた建物全体として一括した防火対策を講じる必要が出てきます。
保管場所を分散することで規制対象外にもできる
エアゾール製品が「少量危険物」や「危険物」としての保管義務を課させる場合というのは、あくまで「同一の建物内に保管している場合」に限られます。すなわち、同一建物内に保管していたことで法令の対象になっていた場合でも、建物内とは別にプレハブ倉庫を新設し、保管場所を分散させることで、保管規制の対象から外れることも可能です。その際も、保管場所ごとに保有量を再計算し、導き出された「倍数」が少量危険物(0.2以上)でないことを確認しましょう。自治体によっては「同一敷地内」という基準で届出を義務付けている地域もあります。エアゾール製品は、法令対象外の数であっても危険物であることには変わりないため、量に限らず、積極的に防火対策を講ずることが望ましいでしょう。
【システム建築編】エアゾール製品保管倉庫の施工事例
システム建築タイプのエアゾール製品保管倉庫の施工事例を紹介します。
(https://www.yokogawa-yess.co.jp/archives/production/7479 )
倉庫内作業員の労働効率を前提に「柱なし、デッドスペースなし」の広々とした空間が確保されています。外壁にはALC50(軽量気泡コンクリート50mm・縦貼り)を採用。間口の大開口には、W4.7m x H4.2m の重量電動シャッターを取り入れています。
- 【用途】物流危険物倉庫
- 【建物面積】1018㎡