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地盤条件(基礎)
建物を建てる際に重要な要素の一つが、地盤調査です。このページでは、倉庫を建てる際の地盤条件の基礎知識を紹介します。
地盤調査で何を調べるのか
地盤調査では地耐力(地面が建物を支える強さ)を調べます。軟弱地盤の目安は30kN/m2(1㎡当たり約3トン)以下といわれています。
また、その敷地が埋め立て地なのか、造成地の盛り土部分かといった敷地周辺の調査や、不同沈下や液状化の可能性を調べます。それらの情報と、地盤調査の結果を合わせ、建築プランを検討していきます。
主要メーカーが導入している地盤調査の種類
ボーリング・標準貫入試験
掘削した孔を利用して1mごとに地盤の硬さを測定します。地層の土質も詳しく調べることができますが、広い調査スペースを確保する必要があり、大掛かりな調査になるためコストも高くなります。
スウェーデン式サウンディング試験
荷重をかけた試験機を回転させ、25cm貫入するために何回転させたかを計測します。一般的に行われている調査方法ですが、硬い地盤や10mより深い地盤は調査ができない場合があります。
平板積荷(へいばんさいか)試験
円盤状の載荷板(直径30cm)を地盤に押し付け、地耐力を測定します。荷重と沈下の関係から、地盤が安全に支持する力を比較的短時間で判定できますが、深い部分の地盤調査には不向きです。
基礎工事の施工法の種類
基礎工事の種類は、杭を使わない「直接基礎」と軟弱な地盤に採用する「杭基礎」の2つに分かれます。
直接基礎
文字通り地盤に直接基礎を作る方法で、地盤が安定している場合に採用する基礎です。地盤が良好な状態であることに加え、建築する建物が低層の場合に活用します。
「ベタ基礎」「フーチング基礎」など細かい種類に分かれており、それぞれに適した地盤や建物がありますが、安定した地盤で低層の倉庫を建てる場合は、建物の底面すべてを鉄筋コンクリートで支えるベタ基礎が一般的です。
杭基礎
地耐力が20kN/m2以下の場合に採用する基礎です。杭を地面に打ちこむことで、上部構造物の安定性を高めることができます。
杭のつくり方によって基礎の種類は異なり、あらかじめ工場で作られた杭を使用する「既成杭工法」と、掘削した孔に鉄筋を挿入する「場所打ち杭」があります。
良質な地盤とは
建物の規模、基礎形式、周辺敷地の状況、地盤条件等を総合的に見て、建物を確実に支持できる地盤のことを「支持層」といいます。一般的に良質な支持層とされる数値は以下の通りで、いずれも3m以上の層厚が望ましいとされています。
- 砂質地盤:N値=30以上
- 粘土質地盤:N値=20以上
地盤調査には専門的な知識が求められるだけではなく、費用も時間もかかるため、施工を依頼するメーカーやビルダーにワンストップで依頼するのが一般的です。建設計画地の地盤状況がわかる資料があれば、見積もりの精度も向上します。