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可動式テント(伸縮式・移動式・開閉テント)

可動式テントとは?

可動式テントとは、建物の一部、あるいは全体が可動する膜構造物の総称です。大きく3つのタイプにわけられます。それぞれの特徴や用途、仕様についてまとめているので、違いを確認してみてください。

伸縮式テントとは

太陽工業_伸縮式テント倉庫_イメージ 画像引用元:太陽工業
(https://www.tentsouko.com/products/伸縮式テント倉庫/)

伸縮式テントは、設置したレールの上をアコーディオンのように伸縮する膜構造物です。別名アコーディオンハウスやスライドハウスとも呼ばれます。また、伸縮の様子がヘビの腹部に似ていることから、別名蛇腹(ジャバラ)式テントとも呼ばれることも。

長さを自由に調節でき、用途に合わせて都度自由自在に倉庫の面積を変えられる点が大きな魅力。他の建築物にはないユニークな仕様で土地を有効活用できます。

伸縮式テントの特徴

伸縮式テントの特徴は、伸縮する機能を活かして重量物や長尺物の搬入・搬出をスムーズに行えること。

通常、鉄骨や大きな資材をはじめとする重量物の移動には、フォークリフトやクレーンが用いられます。倉庫の間口に移動するだけでも時間がかかってしまうもの。

その点、伸縮式テントは大変効率的です。テントを縮め、敷地を屋外の状態にしてから機材を移動したのち、縮めていたテントを伸ばすだけで資材を搬入できます。作業効率が上がるほか、伸縮式テントを2棟・3棟つなげて使用すれば大スパンの搬入・搬出もスムーズです。

伸縮式テントの仕様

伸縮式テントには建築物としての規定があります。基本的に不燃のシート生地は使用できません。これは、不燃生地に使用されるガラス繊維の織物は伸縮に弱い性質があり、屈曲すると中の繊維が折れて強度が低下してしまうおそれがあるためです。

そのため、可燃物の保管目的、または延焼のおそれがある場所に伸縮式テントを建てることはできません。

また、テントを伸縮する方法は手動式と電動式の2通り。テントのサイズや重さによって、どちらを選択すべきか変わってきます。

工場や倉庫などでは大規模な伸縮式テントの建築が多いですが、小規模のテントですとさまざまな場所で目にすることができます。たとえば駅からビルまでの通路や、船着場までの通路などです。傘をささずに目的に行けるため、デパートやコンサート会場などでも採用されています。他にも、企業や大学の屋外での実験や長期間にわたる発掘調査など、雨や雪を気にせず作業ができるため重宝されています。

伸縮式テントの注意点

テントの大きさにより強度は異なりますが、通路などに利用する軽量なテントは強風時の使用は避けたほうがいいでしょう。さらに台風などの天候時は、伸縮して倒れないよう固定する必要があります。設置する際にはできるだけ平らな場所で、電線や木々を避けて使用しましょう。

伸縮式テントの確認申請

伸縮式テントを建築するには、役所への建築確認申請が必要になります。テント倉庫建築物については「平成14年国土交通省告示第667号」で定められています。地域や周辺環境によって細かな規定がありますので、専門家や倉庫建築会社に確認しながら計画を進めるといいでしょう。

伸縮式テントの規定

  1. 膜構造の建築物
  2. 屋根・壁の設置
  3. 延べ面積が1,000m2以下であること
  4. 1階平屋建てであること
  5. 軒の高さが5m以下であること
  6. 屋根の形式は、切妻屋根、片流れ屋根、円弧屋根とすること

伸縮式テントに対応している会社

太陽工業

太陽工業は、世界的に見てもシェア率の高い膜構造建築物製造会社です。倉庫や工場はもちろん、空港や商業施設においても製品・技術が使われています。そんな太陽工業は伸縮式テントも得意としているとのこと。雨除けのちょっとした通路代わりになる伸縮式テントからプールなどに使用される大規模な伸縮テントまで、幅広く取り扱っています。テントの伸縮は手動・電動で対応可能です。

施工事例
太陽工業_伸縮式ジャバラテント
画像引用元:太陽工業株式会社公式サイト(http://www.taiyotent-kt.com/cornice.php)

下部にレールとキャスターのついた伸縮式のジャバラテントです。伸縮は手動で行われます。機械メンテナンス用の作業場として建設された倉庫で、膜材は合成繊維製の防炎C種を使用。採光性が高く、防炎効果を持っているのが特徴です。

丸八テント

名古屋にあるテントメーカーの丸八テントは完全オーダーメードのテント倉庫を提供しています。伸縮式テントも得意としており、小さな簡易式のものから商業施設などで使われる大型のものまで取り扱っているとのこと。オーダーメードなので、テントのフレームの素材、膜材など、設置する現場の状況にぴったりフィットするものをチョイスしてくれそうです。

施工事例
丸八テント_伸縮式ジャバラテント
画像引用元:丸八テント公式サイト(https://www.08tent.co.jp/-7/)

こちらの伸縮式テントもフレームの足元にレールを敷いており、その上で稼働させるタイプです。大型なのでフレームの強度にもこだわってつくられています。使用した膜材等は公開されていませんでした。

移動式テントとは

山口産業_移動式テント倉庫_イメージ 画像引用元:山口産業
(http://www.yamaguchi-nagoya.com/固定移動式テント/w25.4xl21固定移動式テント/)

倉庫の設置場所を自由自在に変えられる移動式テント(別名:キャスター付きテント)も可動式テントに分類されます。突然の雨にみまわれても、作業を中断することなく雨をカバーでき、機材・資材を濡らさずに移動できる点が人気です。伸縮式テント・移動式テントのいずれも、天候に応じて臨機応変に活用できるため、多くの工場・物流業界で活躍しています。

伸縮式・移動式テントの用途

移動式テントは主な用途は資材やパーツの保管です。移動できるぶん、決められた土地のサイズを最大限に活用できるのがメリットです。移動式テントは非常に自由度が高い膜構造物。保管としての機能以外にも、防音・防塵効果があるので作業場としても大活躍します。

ちなみに、移動式テントが活躍しているのは以下のシーンです。

移動式テントの仕様

キャスターが付いている移動式テントは、テントが大きくなればなるほど重量が増します。そのため、大きな規模の移動式テントは建てられません。キャスターの移動はどのくらいのサイズまで対応しているのか、気になる方は各テント倉庫建築会社へ問い合わせてみると良いでしょう。

移動式テントに対応している会社

幕張工業

幕張工業はテントの設計から制作、設置までをワンストップで自社対応しているテント倉庫メーカーです。愛知、岐阜、三重の3県において多くのテント倉庫の設置実績を持っています。自社で施工するため、スペースに合わせて倉庫のサイズを柔軟に対応してくれます。キャスター付きの移動式倉庫も多数制作実績があるのです。

施工事例
幕張工業_移動式テント
画像引用元:幕張工業公式サイト(http://www.maku-1998.com/seihin/sekou/castertent/)

キャスター付きのテントです。使用する環境によって倉庫を自由自在に伸縮できるよう、フレームの足元にはキャスターが付けられています。膜素材はとても軽いうえに、フレームも軽量のものが使われているので、手動でもラクラク伸縮できるのが特徴です。

サンエープロジェクト

サンエープロジェクトはテント倉庫を気軽に採用してもらえるよう、レンタルに力を入れているテントメーカーです。もちろんテント倉庫の販売もしていますが、数ヶ月から数年程度の使用の場合はレンタルをすすめているそう。特に移動式テントを得意としています。キャスターを自社開発したり、倉庫が動かないようにする重りで特許申請をしたりしているほどです。

施工事例
サンエープロジェクト_移動式テント
画像引用元:サンエープロジェクト公式サイト(https://www.san-e-protent.co.jp/products/caster_tent)

移動式テントはイベントなどで多く使われるため、サンエープロジェクトではレンタルも行っています。キャスターがフレームの足元についていますが、移動後に設置場所が決まれば、倉庫が動かないよう固定することも簡単に可能。移動時にヨジレなどが起きないようフレームの強度を高めてつくられています。

開閉式テントとは

テント屋ネット_開閉式テント倉庫_イメージ 画像引用元:テント屋.net
(http://tentya.net/opentent/)

開閉式テントとは、屋根部分に設置されたシートを開閉できる膜構造物のこと。店舗や工場、物流倉庫として利用されるケースが多い商品です。天候や気候に応じて屋根を開閉することで、快適な空間が生まれます。

開閉式テントの用途

開閉式テントがよく利用されるのは、テラス席を設けたカフェやレストラン。ときには心地よい太陽の光を取り入れ、ときには紫外線をシートで防ぎ、ときには鳥や虫の侵入やある程度の雨・雪を防いでくれます。

そのほか、プールやフットサル場などのスポーツ施設、荷捌き場や資材などの一時保管庫としても利用されています。

開閉式テントの仕様

使用する膜材は、地域の法的条件に合わせて選びましょう。

開閉式テントの屋根を開閉する方法は、電動式・手動式・レール式・ワイヤー式などがあります。とくに規定はないため、予算や環境に応じて選択することが可能です。代表的な「レール式開閉テント」と「ワイヤー式開閉テント」をピックアップしてご紹介します。

レール式

レール式の開閉テントは、カーテンレールやテント専用のレールを使用してキャンパスを吊り下げる方式。電動式よりも手軽に取り入れられるため、住空間やウッドデッキなどに採用されています。ワイヤー式よりも開閉がスムーズなところ、建物を利用して設置できるところがメリットです。

ただしあまり大きな面積には向いておらず、ワイヤー式よりもコストがかかるデメリットもあります。

ワイヤー式

ワイヤー式のテントは設置したワイヤーにシートを吊り下げ、ロープやウインチ、モーターで可動します。メリットは大きな面積に向いている点、そしてレール式よりもコストパフォーマンスがいい点など。

デメリットは、テンションを強くかけて(ワイヤーロープをピンと引っ張り)設置するので、専用の金物をつくる必要があるところです。

開閉式テントに対応している会社

山口産業株式会社

山口産業はテントハウスの総合メーカーです。膜の可能性を追求し、常に新しい膜の利用法を提案しています。メンブリーというブランド名を掲げ、独自の製法と技術で膜材を製造。この膜材は通常の膜材よりも経年による伸びや風によるバタつきを減少させ、また雪も溜まりにくい上に紫外線も通さないという強みをもっています。

施工事例
山口産業_開閉式テント
画像引用元:山口産業株式会社公式サイト(https://membry.jp/product/02-4/02-4-2/)

設置するスペースに合わせてアレンジできる開閉式テント。事例の開閉式テントは、レストランのテラス席に設置されたものです。開放的な空間ですが、天候に左右されるのが悩みだったとのこと。開閉式テント設置後は、天候にかかわらずスペースを有効活用できているようです。

太陽工業

世界中のいろいろな場所で活躍している大手膜構造建築物製造メーカーです。膜に関するものなら何でも相談できます。太陽工業の開閉式テントは、ちょっとした建物と建物の隙間に設置できる小型のものから、プールやスポーツ施設などの大型なものに設置できる大型のものまで、ラインナップが幅広いのが特徴です。また、価格も利用しやすい設定となっています。

施工事例
太陽工業_開閉式テント
画像引用元:太陽工業公式サイト(http://www.taiyotent-kt.com/openshut.php)

ゲートボール場の上に設置された開閉式テントの事例です。透明の膜材を使用しているため、幕を閉じている時も明るい空間を実現。できる限り日光を取り入れられる仕様となっています。また、防災性能が高い膜材を使っているのも特徴です。

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