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積雪テント倉庫とは
積雪テント倉庫とは、雪に耐えられるように骨組みを強化し、屋根の傾斜にも配慮したテント倉庫を指します。一般的なテント倉庫との違いや建設における注意点をまとめているので参考にしてみてください。
一般的なテント倉庫と積雪テント倉庫の違い
建物を設計する際には、その建物にかかる重さや力を計算する必要があります。例えば建物に使用する材料・設備の合計重量(固定荷重)。建築物の床に加わる重量(積載荷重)。風によって建築物が受ける圧力(風圧力)。地震によって建物が受ける力(地震力)などです。これらは建物の構造上の安全を確保するため、建築基準法で基準となる数値が定められています。
積雪テント倉庫と一般的なテント倉庫の一番の違いは、「固定荷重」「積載荷重」「風圧量」「地震力」に加えて「積雪重荷」が定められている点です。
積雪重荷とは?
積雪重荷とは、屋根に積もる雪の重さを示すもの。積雪量は地域によって異なるため、積雪テント倉庫を建てる際は、その地域で定められた基準値(垂直積雪量)をもとにして、積雪に耐えうる建物強度を計算する必要があります。
垂直積雪量について
国土交通省により地域ごとに細かく定められている垂直積雪量。青森県を例にあげると、青森市は75cm、五所川原市は110cm、北津軽郡の小泊村は140cmなど、青森県内だけで18項目に分類されています。このように、同じ県でも市区町村によって垂直積雪量は異なるため、建設予定地を決定してから確認したほうが良いでしょう。
屋根の勾配(こうばい)とは?
屋根の勾配とは屋根の傾き具合のこと。2寸、3寸、4寸などと表します。数字が大きくなるほど角度がきつくなる設計です。
積雪テントの屋根勾配について
雪は屋根が平らなほど積もりやすく、傾斜があるほど積もりにくいもの。そのため、一般的なテント倉庫の屋根は2寸勾配ですが、積雪テントは3寸〜4寸の勾配が必要になります。
ちなみに、テント倉庫は基本的に雪下ろしができません。そのため、積もった雪が自然に落下する勾配が必要です。
積雪テント倉庫を建築するときの注意点
積雪テント倉庫を建築する際に気を付けておくべき3つのポイントをご紹介します。
屋根シートの強度と防水性能
積雪テント倉庫の屋根に使用するシート生地は、積雪に耐えられるように一般的なテント倉庫よりも分厚いものを選びましょう。また、積もった雪は屋根を長期間圧迫するため、雪や水に強い素材を選ぶことも大切です。
資材の強度
多雪地域の場合、屋根に積もった雪が落ちてテント倉庫の壁を圧迫してしまうおそれがあります。万がいちの事態に備えるなら、基礎工事の段階から強度の高い資材を使用するのがおすすめです。
作業用スペース
積雪地域には雪かきがつきもの。積雪テント倉庫を建てる際は、降雪後スムーズに雪かきできるよう、隣接する建物との間にある程度のスペースを確保しておきましょう。