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フィルム
近年では写真も動画もすっかりデジタル方式が全盛となっていますが、独特の質感を求めフィルムの画像や映像にこだわる方もおり、過去の貴重な記録としても保存の環境は重要。ここでは倉庫にフィルムを保管する際の注意点や、実際の倉庫施工事例について紹介します。
フィルムの保管や倉庫の注意点をチェック
使用前のフィルムは、直射日光は厳禁
そもそもフィルムというものは、光が当たることで化学反応を起こし(感光と言います)、画像を記録するという方式になります。それゆえ、使用前のフィルムというものは、光を遮断するカートリッジに収納されており、光が当たる場所での保管は極力さけるのが基本中の基本となっています。
高温多湿の環境も可能な限り避ける
その上で、もうひとつ重要なのが、高温多湿の環境を避けて、低温の乾燥した場所に保管するということ。フィルムには乳剤という層がありますが、高温多湿で蒸発してしまうと、ファインダーの曇りの原因になってしまい、また映像がキチンと撮れない、現像の際にムラは発生してしまうといった不具合も起きやすくなってしまうからです。
ゆえに、冷蔵庫などで保存するのが一般的ですが、使用する前には一旦常温に慣らすことが必要。冷えたままだと結露が発生してしまうためです。この点には要注意です。
現像後のフィルムも高温多湿は避けるのが基本
写真であれ映像であれ、現像した後のフィルムには、それ以上の化学反応は起こりませんが、フィルム自体が劣化してしまうのを防ぐために、やはり直射日光を避けて、なるべく気温と湿度の低い場所に保管するというのが基本です。とりわけ注意すべきは、カビの発生。そうした事態回避のためにも高温多湿はNGと覚えておいてください。
参考までに、映像テープやフィルムの保管を請け負っている大手倉庫では、一般的なものは18℃の環境で保存、長期保存のものは5℃程度で保管という方式としているそうです。
まとめ
改めて申し上げるまでもなく、デジタルカメラというものが誕生する以前は、画像も動画も、すべてはフィルムに記録されていました。デジタル方式で保存し直すということも行えますが、すべてをデジタルで保存し直すのは困難。それゆえ、フィルムの保存には、フィルムに適した環境を整えた倉庫が不可欠になります。